日常生活において,私たちが椅子に座る主な目的は,食事,作業活動,休息,コミュニケーションといったことがあげられます。そのことから,シーティング(座位保持)の目的は,大きく分けると生命維持と社会参加ということになります。
座ることによる生命維持としての身体への効果は,特に臥床した状態から移行することで,全身機能が活性化されることになります。

1.心肺機能の改善
2.消化,排泄機能の改善
3.二次障害の予防(変形・拘縮・褥瘡)
4.座位能力・バランスの向上(脊柱起立筋の筋力維持と強化)
5.食事,摂食・嚥下の改善
6.目と手の協調性,上肢機能の改善
7.休息,睡眠
8.介護が容易化
9.作業活動の拡大
10.社会参加,就学,就労

車いすシーティングの役割としては,
1.座り心地(を良くする),
2.移乗方法(移乗を楽にする)
3.座位姿勢(楽に座っていられる),
4.走行性(軽い操作で動かせる),
5.介助方法(介助を楽にする)
があります。

高齢者で問題となる「廃用症候群」とは,長期にわたる安静臥床などにより,病的な状態が心身に現れることをいいます。特に高齢者ではその影響が大きく,心身機能が大幅に低下し,一度低下した機能の回復は難しい状況になります。高齢障害者では,筋力低下や変形・拘縮,心肺機能の低下,知的能力の低下などが合わさり,臥床状態から離れることがより難しくなるとされています。
このような状態にならないようにすることが,シーティングの役割のひとつです。ベッドから離れ,一定時間を適切な座位で過ごすことは,すなわち廃用症候群の予防といえます。また,現在では早期離床や寝たきり予防のために,座位に問題がなくても適切なシーティングを行うことが基本となっています。